九州のとある田舎町。空を飛ぶ夢ばかり見る古森太郎は神社の階段を登る女の子と目があう。あの子は誰だろう…
そんな不思議な映像から始まるアニメ。暗い過去を持つ三人の中学生が成長していく青春譚。こちらから3話くらいまで無料で見られます。
やー楽しかった。なんだろうね。これは。スタンド・バイ・ミー?純朴な主人公「古森太郎」とヤンチャな「大神信」。大人の事情で接点のなかった二人が、都会から転校してきた「中嶋匡幸」によって結びつき成長していく。こういう少年時代を送ってない私には、なんともまぶしい。
お話は、誘拐殺人事件やいじめ、父親の自殺と重たいテーマが飛び交うんだけど心配はいりませんよ。大丈夫。意味もなく怖がらせるような安い話じゃない。原作は攻殻機動隊の士郎正宗で、ファンサービスみたいな設定や展開もあるけれど、こっちも問題なし。とにかくゆっくりと、三人+女の子一人の心を丁寧に描いていきます。
方言を楽しみながら、のんびりとこの世界を楽しむって感じの視聴がいいと思う。最初は話が進まずじりじりするけれど、そのうちにずっと続いてほしいと思えるようになるから。謎とかにはこだわらない方が楽しめるかも。
声優がまたうまいんだよね。特に小学生の巫女役をやってる矢島晶子さん。もう天才的。ちなみにクレヨンしんちゃんの声もやってる人なんだけど子供から色っぽい女性まで見事にこなす。なんたって声がいい。
個人的には中嶋が良かったなあ。学校ではウザいくらい明るくて厚かましいんだけど、家では反抗期の真っ最中。この描き分けでキャラに厚みが出てる。彼は東京の学校でイジメた子が自殺してしまうというトラウマを抱えているんだけど、それをなんとか乗り越えようとする姿もイジましくて良い。ついでに、父親の不倫相手に怒りを覚えながらも、その大人の女に惹かれてしまう純情さまで描かれていて脱帽。こういう時期ってあるよね。
最後がちょっと駆け足だったのが残念かな。全22話だったから、もしかしたら2話くらい切られたんだろうか。RED GARDENと同じパターンだったのかも。でもこういう作品を作ってくれたことには素直に感謝。