GALACTICA ペガサスの黙示録を見る

いやあ面白かった。最近のアメリカドラマには珍しく主役級の提督が美人だし。主人公は残念な感じだけど(笑)。これはアメリカで放映されたSFテレビドラマ「Battlestar Galactica」の番外編。本編のほうもやっとこさ最終シーズンが国内でリリースされるようで、こちらから情報が確認できます。エヴァの庵野監督のコメントあり。




1978年に始まったTVシリーズの宇宙空母ギャラクティカをベースに、2003年から始まったのがBattlestar Galactica。でもって、そこからのスピンオフ企画で放映されたのが、このペガサスの黙示録。ややこしいね。

人類が生み出した機械生命体サイロン。それがあるとき反乱を起こし人類は滅亡の危機に瀕する。唯一生き残った戦艦ギャラクティカはわずか5万人にまで減少した人類を率いて、伝説の星「地球」へと脱出する。しかし艦内には人類と見分けがつかないほど進化した人間型のサイロンが潜入し、密かに破壊活動を開始したのだった。

みたいな話。「地球へ」じゃないよ。でもねー。はっきり言って本編はちーとも面白くなかった。いやそれは言い過ぎか。特撮は最高。戦闘シーンもド派手なビームが飛び交う幼稚な演出はなくて、ミサイルや機銃が中心。これがなんとも重量感があり大迫力。艦長はブレードランナーにも出てたエドワード・ジェームズ・オルモスで超渋い。

ただ内容がね。SFだと思ってたら、アメリカ人が女のケツを追い掛け回すだけの話なんだもん。キャラがアホ揃いで、人類が滅亡しかかってるのにお前の頭ん中は異性の事だけかよ、的な展開を大真面目に何度も繰り返す。テロの話とかも出てくるんだけど、お前らがそれを言うか的な演説で幕引きだったり、良くも悪くもアメリカンな話。序章はまあまあだったんだがなあ。


でも「ペガサスの黙示録」はしっかりしてた。人類の存亡をかけた必死の逃亡劇、極限状態での選択、上昇志向の強い主人公ケンドラの、上司との衝突や挫折。そして再生と結末を、劇的に、しかも丁寧に描いてる。なにより各キャラが立っていて、本編に出てくる「脚本の都合で喋ったり行動したりする理解不能なアホ」がいないのがよろしい(当たり前だ)。わけのわからない価値観を押し付けられることもないしね。

本シリーズのテーマに引きずられなかったのが幸いしたのか、話もちゃんとまとまってる。ストーリーボードを丁寧に作ったのがよくわかる仕上がりだね。むしろ本編とのつながりを描写するところが無理矢理だったり、本編の登場人物が邪魔だったりするくらい。

日本じゃ、こういうSFがちゃんと作られることはないのかな。昔はNHKあたりがハードなのを作ってたんだけどね。ま、出てもジャリタレの学芸会になっちゃうだろうな。有料でもいいから放映してくれたら、私もテレビ視聴者に復帰するんだけど。

コメントは受け付けていません。