「鳩山由紀夫の政治を科学する」を読む

今頃。もう退陣したというのに。でも面白いんだなこれが。たとえば、なぜ今頃消費税の話が出てきたのか。議論すらしないといってた民主党なのに。あるいは、なぜ衆議院議員定数削減の話をし出したのか。ほかにも色々とあるけれど、これを出版した時点の予測が、かなりの精度であたってる。選挙前に民主党の考え方を知りたい人は必読。



ちなみにこの人、本の宣伝をかねて「博士の異常な鼎談(ていだん)」という番組に出てたんだけど、これが猛烈に面白くて必見。




民主党というのは、中国共産党のような中央集権的独裁政権を目指していると思ってたんですよ、私は。で、その認識は今も変わってない。大きな政府を作って税金で甘い汁を吸いたい、民主主義からはほど遠い連中の集まり。まあ、団体名にしろ国名にしろ、自由とか民主とかが入ってるところにロクなもんはないから。

で、この本を読んでて気がついたんだけど、まず去年の12月。民主党が自力で予算案を作れなくて右往左往し、小沢さんの鶴の一声で決着したとき。あのときに最初の転機が訪れたと。これで官僚達が「ああ、民主党ってバカしかいない素人集団なんだな」と気がついちゃった。

利にさとい財務官僚はさっそく、経済音痴の管財務大臣(当時。というかなぜ資本主義を否定している極左の人が財務大臣に…)にフルサポートプランを契約させて、1月のG7とかで唯一英語のしゃべれない彼をかばったと。このとき管さんのロボット化が完了。2年縛りとかにも気がつくことなく悪魔に魂を売ってしまった。プライドが高くて怒りやすい人ほど騙しやすいってのは詐欺師の常識。自分が騙されてることを認めないからね。


その後、ゴタゴタしたけどトップなんて飾りだから関係ない。財務省悲願の消費税アップのため管さんを総理にして増税増税の大合唱が始まった。内閣周辺は財務省そのものになっちゃってる。世論調査でも消費税アップやむなしの声が多いみたいだからマスコミ対策も万全か。みんな、可処分所得の1割が税金でとられるって事実、本当にわかってる?そんだけあれば、へたすれば毎年新車が買えるんだよ?

おそらく他の省庁、それも自民の族議員が少ないところはこぞって議員達を取り込んで天下り先の確保やら予算獲得やらに動いてるんじゃないかな。ようするに民主党ってのは、小沢独裁をめざしていたのに、いつの間にか官僚に乗っ取られた傀儡政党になっちゃったと。

まあ、それは仕方がない。選んじゃうほうも悪いから。問題は、消費税を上げて景気が冷え込んだ後どうするかなんだよ。実際、円高で輸出企業が苦しみ、国内はデフレが続いているときに増税なんて正気の沙汰じゃないんだけど、財務省がどうしてもやるというんだから避けようがない。結果として税収の落ち込みや地下経済の拡大やらで失業者も自殺者も増える状況が、おそらく20年くらいは続いてしまう。

財務官僚もバカじゃないから、その程度の短期的なリスクは予想してるんだろうし、そもそも財政破綻がウソなんだから、こんなワーストケースにはならないと思ってるんだろう。あちこちに予算をつければなんとかなると。けど、そううまく行くかな。前回、3%から5%にしたとき何が起きたか覚えてる?

庶民としてはなすすべがないなあ。吉野家の鰻丼がささやかな贅沢。まあ趣味のゲーム作りがあれば私はなんとか生きていけるけどさ。あとネコがいればね。

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